【“推し活”トラブル】「初詣デート」10万円「大阪日帰り旅行」300万円相当も

【“推し活”トラブル】「初詣デート」10万円「大阪日帰り旅行」300万円相当も

メンズ地下アイドルグループの男が、女子高校生にわいせつな行為をした疑いで逮捕されました。女子高校生は「推し活」に約300万円を投じたといいます。高額な費用がかかる過剰な推し活で、トラブルの相談が急増しています。中高生を守る対策を考えます。

■高額な「推し活」費用も…実態は?

有働由美子キャスター
「被害に遭った女子高校生は、自分の『推し』に約300万円もつぎ込んでしまったということです。推し活にはいくらかかるのでしょうか?」

「(都青少年健全育成条例違反の疑いで)逮捕された「蒼天」の翼こと田辺稜弥容疑者(25)の場合、イルミネーションデートが2時間で15万円、初詣デートが1時間で10万円もかかります。2ショット写真を撮影すると1枚1000円だということです」

■ポイントカード特典で「日帰り旅行」

「さらに、田辺容疑者のグループにはポイントカードがあり、写真1枚購入で1ポイント、ライブ会場に来ることで1ポイントを貯めることができます」

「ポイント特典は、30ポイントで推しの動画撮影、300ポイントで推しからの手紙、3000ポイントでUSJなどを巡る大阪日帰り旅行が可能になります。仮に1枚1000円の写真撮影で全てのポイントを貯めると、大阪日帰り旅行は300万円かかります。大変な金額です」

■影響深刻…中高生の保護者が相談

小野高弘・日本テレビ解説委員
「大人でもなかなか払える金額ではありません。警視庁へのトラブル相談は増えています。一昨年は15件ほどでしたが、去年は50件以上と約3倍です。その多くが中学生、高校生の保護者による相談とみられています」

「その内容は深刻です。推し活でお金が必要なため、親のお金を持ち出してしまったり、いわゆるパパ活や売春に走ってしまったり。他にも、推しに会うために繁華街に入り浸り、生活が昼と夜が逆転してしまうことも。こうなると学校も休みがちになってしまいます」

■なぜエスカレート? できることは?

有働キャスター
「楽しいはずの推し活が、台無しになってしまっていると思います。なぜそれほどエスカレートしていくのでしょうか?」

小野委員
「東京未来大学・こども心理学部長の出口保行教授は、『推すことで達成感が得られる一方、さらに強い達成感を求めてしまう。自分で危険に気付くのは難しいし、恋は盲目なので軌道修正も難しい』と話します」

有働キャスター
「自分で危険だと気付けないとすると、家族や周りの私たちに何かできることはあるのでしょうか?」

小野委員
「出口教授によると、無理に軌道修正しようとせず、まずは話を聞いてあげることです。ささいな助け舟が、大きな転換につながることもあります」

■落合さんに聞く…エンタメの適正価格

落合陽一・筑波大学准教授(「news zero」パートナー)
「その時間や行為がどういう価値を持つかは本人にしか分からないので、周りがとやかく言うことではないと僕は思います。ただ、高校生や年収が低い人から多くお金を取る人は、あまり好きではありません」

「例えば映画館に行けば、2時間で2000円ほどです。1時間1000円以下のエンタメは適正価格だと、自分で値付けする時に思っています。僕はあらゆるものを自分で提供する時に、1人1時間1000円を超えると高いなと思うので、それ以下になるように値付けしています」

「それを超えたら高いなと思って、高校生の皆さんや若い人に一度立ち止まってほしいなと思います」

有働キャスター
「推しを推すことが悪いわけではありませんので、まずはその子の気持ちに寄り添って、もし過剰な推し活で悩んでいる人や保護者がいたら、警視庁少年育成課の相談ダイヤル『ヤング・テレホン・コーナー』(03-3580-4970、24時間365日対応)も活用してください」
(2023年1月31日放送「news zero」より)

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