【なぜ困難】“メンズ地下アイドル”取り締まり 恋愛感情も?過剰な「推し活」防ぐには【#みんなのギモン】

【なぜ困難】“メンズ地下アイドル”取り締まり  恋愛感情も?過剰な「推し活」防ぐには【#みんなのギモン】

メンズ地下アイドルの事務所社長らが逮捕されました。地下アイドルの熱狂的なファンによる“推し活”が、問題となっています。

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https://news.ntv.co.jp/category/society/548420f06bdc45a0aeba47512eac2e6a

警視庁によると迷惑防止条例違反の疑いで逮捕されたのは、東京・新宿区のメンズ地下アイドルの事務所「NAプロモーション」社長・栗田竜之介容疑者と、顧問の畑中卓也容疑者です。2人は男性アイドルに示唆し、写真撮影会において他のファンがいる前で、女子高校生の胸を触らせるなどした疑いがもたれています。

この行為が「公共の場で人に不安を覚えさせるような卑猥(ひわい)な言動をしてはならない」という都の迷惑防止条例違反にあたるとして逮捕されました。

ファンの女子高校生は、事件当時17歳。「パパ活」などで金を稼ぎ、写真撮影などに約250万円を支払っていたということです。

一方、栗田容疑者と畑中容疑者のねらいは、「ファン心理を利用して売り上げを伸ばす」ことだったとみられています。警視庁は、推し活の末に「パパ活」などに走る少女たちがいることを問題視していて、摘発に力を入れています。

今回は「ファン心理」という点に注目しながら、以下のポイントを中心に詳しく解説します。

●危険な“有料サービス”
●取り締まり なぜ困難

■“メン地下” ファンが金をつぎ込んでしまうのは…

“メン地下”とは、「メンズ地下アイドル」のこと。大手芸能事務所に所属せず、小さな会場でライブを行うなどして収入を得ている男性アイドルを指します。

ファンがお金をつぎ込んでしまうのが、ライブと同時に行われる「有料のファンサービス」です。

例えば「1000円支払うと、推しのアイドルと1枚2ショット写真が撮れて、1分間話せる」というものです。また、支払う金額に応じて「私物へのサイン」「推しから手紙」、さらには「デート」といった特典が受けられるケースもあります。

こうした“メン地下”などの「推し活」の何が問題かというと、お金を稼ぐためにパパ活や援助交際を行う少女がいるという点です。

■警視庁が注意呼びかけ 相談件数も増加

なぜ「推し活」がトラブルにつながるのか、警視庁が上記のポスターを作成しました。ポスターによるとトラブルの概要は、次のようになります。

“メン地下ライブ”自体は無料でも、写真撮影でお金を払います。そして、推しからの優しい言葉があり、写真を撮ったり、デートをしたりしたいけれど、(ファンには)お金がありません。すると、パパ活や援助交際をしたり、家のお金を持ち出すなどして、“有料サービス”のために「お金をどうにか確保しよう」としてしまいます。

このような“メン地下”などをめぐる相談件数は2022年は40件ほどでしたが、2023年は100件に増えています。

その相談内容は…。

「18歳の娘が“メン地下”にはまり無断外泊している」
「高校生の娘が“メン地下”のために売春している」

どのような実態があるのでしょうか。

東京・歌舞伎町にて売春目的で路上に立ち、客待ちをしていたとして、警視庁は2023年の1年間で140人の女性を逮捕しました。そのうち7割以上にあたる106人の女性が20代。3人は10代でした。その動機については、15人が“メン地下”で使う金を稼ぐためだったとしています。

注意を呼びかけるしか、防ぐ方法はないのでしょうか。

■取り締まり なぜ困難? 風営法は? 恋愛感情がハードルに?

犯罪の温床になりうるものの“メン地下”の活動自体は合法なので、直接適用できる法律はないそうです。

警視庁の捜査幹部の話では、ホストクラブは自前の店で客をもてなすので、何か問題があれば「接待行為」として風営法を適用できます。

しかし“メン地下”は、ライブハウスなどを借りて活動していて、ファンも応援しているだけなので、接待になりません。しかも深夜でなければ、未成年でも自由に出入りできます。

さらに一番の“ハードル”となっていることがあります。被害者にあたるファンの女の子は、推しのアイドルに恋愛感情を抱いているので、好きな男性に警察の手が及ぶようなことは嫌がります。そのため、被害者の協力を得るのが難しいといいます。

のめり込んでいるときほど、周りが見えなくなる危険性をはらんでいるので、特に未成年の場合は、親御さんによる状況把握が大事になってくるかもしれません。実際、被害者自身が協力的ではなく、母親が説得して逮捕にこぎつけたというケースも過去にありました。

■「推しは推せる範囲で推せ」 自分のペースで推し活を楽しもう

未成年の場合は保護者の目も大事ですが、推し活をしている人は、大人でもたくさんいます。そこで、トラブルにならないようにはどうしたらいいのか、専門家に聞きました。

ニッセイ基礎研究所・生活研究部の廣瀨涼研究員
「近年は『推しのために生きる』という言葉があるように、推し活を高く優先し、依存性を増す消費者の姿もある」

自身も“推し”がいるという廣瀬さんは「推し活で過剰に消費しないために『推しは推せる範囲で推せ』という言葉を念頭に置くこと」だといいます。

「ほかのファンに対する競争心や独占欲が働いてしまうこともあると思うが『そもそも自分はなぜ応援しているのか』と原点に立ち返ることで、他人の目を気にせず、自分のペースで、推し活を楽しむことにつながる」と話していました。

そもそも「推し活」は自分の人生に彩りを与え、豊かにする行為です。心から推し活を楽しむためにも、自分のできる範囲を意識するように心がけましょう。
(2024年1月17日放送「news zero」より)

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