鮎の友釣りで覚えておきたい鮎の生態について

鮎の友釣りは早い河川で5月上旬、遅い河川でも7月には解禁します。
その後9月~11月にかけて禁漁を迎えます。
1年で生涯を終える鮎は、初夏~盛夏~秋と季節の移り変わりに合わせて性格が変わり、生息場所も変わってきます。

鮎の友釣りをするにあたり、鮎の生態を知ることで釣果にも差が出てくるものです。

そんな鮎の生態について詳しく解説していきましょう。



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知っておきたい鮎の成長について

鮎は1年の短い命の中で成長を続けます。
河川によって成長の度合いも違いますが一般的な成長について解説します。

2月~3月の鮎

孵化し水温の高い汽水域で過ごした稚鮎が、河口から上流めざし遡上を始めます。
数cmの小さい体ですが、身を守るため群れて行動します。
早い時期の鮎は1番子と呼ばれ成長も早く、増水すると遡上が促進されます。

4月~5月の鮎

この時期になると、1番子は群れがバラけて、それぞれ縄張りを持ち、コケを食みながら遡上を続けます。
体長は10cm前後になり5月の後半ともなると17cm前後まで成長する鮎もいます。
鮎の多い年は1番子に続いて2番子、3番子と河口からの遡上が続きます。
養殖鮎の放流が行われるのもこの時期で、それぞれ解禁日に合わせ10cm前後の稚鮎を放流します。
5月には早くも解禁を迎える河川があります。
初期といわれるこの時期の鮎は玉石の多い緩めの瀬に縄張りを持つ性格があり、早朝はあまり掛からず、水温の上がる9時前後から追い始め掛かりだす傾向になります。

6月の鮎

6月ともなると大半の河川が解禁します。
天然遡上も放流鮎もほぼ縄張りを持ち、友釣りのシーズンインとなります。
鮎は玉石の多い瀬に縄張りを持ちながら遡上を続けます。
白泡の立つような荒瀬にも生息し始めます。
逆に岩盤などの大きな岩付近は青のりなどが付きやすく、縄張りを持つ鮎は少ない時期です。
そして1日1匁といわれるように、1日3g前後成長すると言われます。
人間で例えると、学生時代のような時期で警戒心も薄く、活発に活動します。
成長のいい河川では25cm以上になります。
平均サイズが20cm前後となります。

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7月の鮎

7月は夏至の日を境に遡上が止まり、鮎が居つきはじめると言います。
これは鮎が昼と夜の長さを感じ遡上をしているので、夏至以降、日が短くなると遡上しなくなるというわけです。
鮎は瀬、トロ、淵を問わず、コケのある場所なら全域に縄張りを持ち始めます。
一番いいコケの付く場所に一番強い鮎が付き、激流や急流、荒瀬などには体高のある良型が縄張りを持ちます。
逆に緩い場所や、小石の多い場所には小型が多くなります。
思春期となった鮎は、増水の度に縄張り意識が強まり一番強く攻撃してくる時期です。
成長のいい河川では28cm以上にもなり、平均22cm前後のサイズで、増水後を狙えば7月は初心者が一番釣りやすい時期と言えます。

8月の鮎

梅雨明け後、渇水が続くと水温の上昇する時期です。
増水して水温が下がると、7月のように、あらゆる場所で縄張りを持ちますが、渇水で高水温になると、深い淵に隠れ始め、夕方などにコケを食みに出てきます。
その為8月の渇水は鮎の友釣りにとって一番釣りづらい時期になります。
元々水温に低い上流部などでは、縄張り鮎は多くいますが、闘争心が薄れ、掛かりは悪くなります。
また、放流鮎は8月の後半になると繁殖期に入る鮎も出始めます。
成長のいい河川では30.3cm以上の尺鮎も釣れはじめます。

9月~10月の鮎

大河川は水温が下がり始め、再び縄張りを持ち始めます。
繁殖期の兆しが見え始めると、激流、急流、荒瀬などの荒い場所には若い鮎しかいなくなります。
つまり2番子、3番子以降の鮎です。
大型になった1番子は深い瀬肩や深いトロ場、淵などの岩盤のある小石底に縄張りを持ち始めます。
尺鮎と呼ばれる巨鮎が出るのも、この時期の1番子です。
そして鮎の下降が始まります。
朝から昼過ぎまで縄張りを持ち、夕方一気に下降して下流で縄張りを持ちます。
この繰り返しです。
つまり6月、7月の良く釣れる瀬には中型から小型の2番子以降の鮎が縄張りを持ち、深い場所には大型の1番子が縄張りを持っています。
上流では鮎が小型化し、中流から下流では大型化していくのです。

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11月以降の鮎

ほぼ全河川が禁漁になりますが、下流にダムがあって鮎が下降出来ない河川は年末まで禁漁とはなりません。
しかし水温の下がった河川では、縄張りを持つ鮎がいても、攻撃心がなく、囮鮎に攻撃してくる鮎はめっきり減ります。
繁殖期真っ最中なので、囮にメスを使えば、絡んできたオスが掛かるくらいです。
もうこの時期になると鮎の友釣りは終了です。

出典:落ち鮎

養殖鮎の特徴

今までの説明は天然遡上、養殖共にあてはなりますが、養殖鮎ならではの特徴があります。
それは放流鮎が人口養殖の場合です。
池で孵化して成長させるわけですが、池の中で過密に飼育され、餌をやる時間が決まっています。
この鮎を河川に放流すると、単独で縄張りを持つのが遅れ、ひどい河川では7月後半まで、養殖池と同じように群れています。
そして養殖池のエサの時間くらいになると、縄張りを持ちコケを食みだすという状況が見られます。
午前中全く釣れなかった鮎が、同じ場所で午後になると30匹釣れたという事がよくあります。
この人口養殖の鮎の特徴も知っていれば、そういう河川に行った時、群れ鮎がいる場所で粘れば好結果につながります。
頭の片隅に入れておきましょう。

オスとメスの違い

鮎にはオスとメスがいます。
普段は全く気にもしなくていいですが、繁殖期を迎えた時期の鮎の友釣りには重要な役割を果たします。
では見分け方と性質を解説しましょう。

オスの特徴と性質

オスは尻ビレが尻尾に向かって長く、幅が狭くなっています。
オスは繁殖期に入ると、釣ったばかりは綺麗でも、囮にすると、赤く婚姻色に変色し始めます。
早い河川では8月後半、遅い河川でも9月後半からなります。
婚姻色の出たオスに仕掛けてくる鮎は、あまりいません。
そして掛かってくる鮎のほとんどがオスで、囮にするとまた変色します。
つまり変色するオスは囮として適していないという事です。

メスの特徴と性質

メスは尻ビレが尻尾に向かって短く、幅が広くなっています。
メスは繁殖期にはいっても、色は変わらず、逆にお腹に卵を持つことで、体が丸みを帯び、体力も増します。
繁殖期の囮はメスを使えというように、メスを使っていてオスが掛かると、囮を変えずに同じメスを使えば3匹釣るくらいまでは頑張ってくれます。
メスに掛って来るのはオスが多いですが、メスも掛って来るので、掛かったメスは大事に使いましょう。
終盤の鮎の友釣りはメスを上手く囮に使う事で釣果に繋がります。

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鮎という名前の由来は

鮎の名前の由来には、色々説があります。
説が多いほど人気のある魚だという事がわかりますね。
一般的に伝わっている説をいくつか紹介しましょう。

一般的な語源

鮎は川を下る魚で、下流に落ちるという意味で『あゆる』という言葉があります。
この言葉から鮎(あゆ)と名付けられたという説が一般的です。

その他の説1

鮎が川の中を矢のように泳ぐ姿を見てつけられた説もあります。
これはアイヌ語で矢の事を『アイ』と呼びます。
このアイがなまって鮎になった言うものです。
実際に鮎の事をアイと呼ぶ地域は多くあります。

その他の説2

鮎が自分の縄張りを占領する魚であることから、魚ヘンに占を付けて、鮎となったという説です。

その他の説3

遠い昔、神攻皇后が今後を占うために釣りを競った魚が鮎だったためなづけられたというものです。

まとめ

1年で終える鮎の生態はお分かりいただけたでしょうか。
鮎の友釣りをするにあたって、鮎の生態を知ることは非常に重要で、釣果に大きく左右します。
初期から後期までの性質を理解すれば、きっと鮎の友釣りが上達するはずです。



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